水深40mにいる自分が不思議な感じだった。なんでこんなところにいるのだろうかと。あたりは真っ暗で、5m先は全く見えない。ちょっと目を離すと近くにいた他のダイバーを一瞬で見失ってしまう。ここで、一人になったら終わりだと思った。

2年前に何となくダイビングのライセンスを取ったが、それから計5本も潜っていない。まして、20m以上は行ったことがない。海は大好きだが正直なところ、あんなしんどい思いをしてまで潜らなくても、お魚は水族館でみれるし、食欲満点の立場から言わせれば海で見るお魚より、お皿の上の方を見たい・・・。とさえ思っていた。

こんなに消極的でありながらも今回、【BLUE HOLE】に挑もうと思ったのは、「世界第2位のバリアリーフ!ダイバーのあこがれのポイント」・・・この文句に流されてしまったからだ。しかしこの「有名だから潜っとけ」みたいなミーハーゴコロは時に自分をおとしめることになるので以後は気をつけようと反省している。というのも、その当日、私はナイナイづくしだった。

その@---deepダイビングをしてもいいという免許をもっていないこと。---

そのA---【BLUE HOLE】前日の晩は緊張して全然眠れなかったこと。---
YOKOが寝る前に『緊急浮上したら絶対体に異常がおこるよね!』という一言を残したため『超biginner』の頭の中は「パニックをおこしたらどうなるんだ?」とか「HELPしか助けを求める英語を知らないんだけど…」というようなことがぐるぐると回り、その日の睡眠時間は2時間もなかった。

そのB---英語がさっぱりわからなかったこと。---
船中で黒人のおにいちゃん(通称:大谷君)が、きっと今回のダイブについてだろうという説明をし始めたが、大谷君は当初、「鼻歌を歌っている」と思っていたくらい私の英語能力は低く、何一つ聞き取れなかった。何分潜るのか、どういうグループで潜るのか、酸素の残りがどれくらいで合図するのか・・・ほんとに何一つわからなかった。(人間、生死にかかわることであれば意外な能力を発揮すると信じていたが、それは私の思い込みだったらしい。)

そんな最悪な状況で顔が引きつっても、恐怖感の後ろに体が浮くようなワクワク感があったのは今でも覚えている。

無謀なことかもしれないと思えば思うほど、スリル感を感じられる★そんなお子ちゃま的な発想・・・。今回の【BLUE HOLE】にはそれに似たようなものがあった。「人間の限界はどこだろう?」とか「この先に進んだらどうなるんだろう?」という未知を覗きたくなる気持ちを誰しもが持っていると思うが、私はここで進んでしまった。結果的には無事だったが、パニックを起こしたらサヨウナラという緊張感は潜っている間ずっとあった。恐かった。

今後、誰かに【BLUE HOLE】の感想を聞かれれば「暗かったよ。寒かったよ。魚は全然いなかったよ。さんご礁のぼこぼこした部分は気味が悪かったよ。」と答える。だって”単にあれは穴以外の何でもない”と言われればその通りだからだ。しかし、水深20m弱で見ることのできる
海の鮮やかな景色とは確実に何か違う、もうひとつの世界があったとも答える。是非、体験してもらいたい。

今回の旅で日本の裏側まで飛び、そのフライトの長さに「地球って大きいんだなぁ」と何度も思ったがそれ以上の大きさを感じたからだ。空が果てしなく続くように、海の世界も果てしなく続いている。世界!不思議発見だった。

そんなわけで、現在私はダイビングにはまっている。もっとポイントが見てみたいとホンジュラス行きを考えている。


2004/11/13・・・mitsue


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